足利尊氏執事、高師直慰霊碑『師直塚』が伊丹市昆陽、国道171号線北側沿い、イズミヤの側に佇んでいます。室町時代初期、足利尊氏・直義兄弟の確執に南北朝各勢力が絡み全国規模の内乱となった「観応の擾乱」において、この地で討たれた師直を悼む碑です。
この事件はNHKの番組でも紹介され、本も著されたのを観・読みしましたが、ひどい事件です。政治的見殺しとか駆け引きの応酬でしたね。
歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」で敵役吉良上野介として(お上を憚り実名では登場させない慣習がありました)登場させられ、太平記でもディスられている悪役師直ですが、実際は北朝方の猛将として南朝方の北畠顕家を石津で、楠木正行を四条畷で滅ぼし、政治家として後の管領に繋がる執事の地位を確立し、文化人としても優れ、部下を思いやる逸話も残す、と極めて立派な人物だったようです。本来尊氏に向けられるべき大勢の憎しみを負わされ、護送中に騙し討ち、見殺しにされたようです。こういうことってあるあるで怖いですよね。
かつてNHK大河ドラマで放映された『太平記』の柄本明さん演じる師直が印象的でした。